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2007年12月3日

厳しい現実が事業者の着眼の原点


 東京、神奈川などの関東地方のタクシー運賃改定は順調に進みつつある。それに比べ関西地方のそれは、大阪の2回の失敗に代表されるように進んでいない。

 なぜ関西は、いや大阪、京都で運賃改定が進まないかと言えば、ワンコインタクシーに象徴される低運賃事業者がひしめき、激しい運賃競争を演じ続けているためだ。ワンコインは、いわゆる“企業内個人タクシー”と称する雇用形態を取り、賃金も一定額の名義料を会社側に支払えば営業収入は、すべて乗務員の取り分となる、限りなく名義貸しに近いシステム。

 元祖は、かつて“タクシー王”と言われた大阪相互タクシーの多田清社長だ。償却システムと称する賃金を自社に導入したのが始まり。エムケイの青木定雄氏が、その亜流システムをエムケイに導入。“企業内個人タクシー”を全国に広めた。

 名義貸し行為は、改正道運法でも禁じられているものの、“企業内個人タクシー”は法違反スレスレで、今日までタクシー業界にまかり通ってきた。仮に、このシステムが名義貸しだと判断さればワンコインは業界から退去しなければならない。

 いま、大阪、京都などで“企業内個人タクシー”といわれる雇用形態や賃金システムに関心が高まっているのは、低運賃タクシーの事業経営の可能な原因が、これに起因するのではないかと関係事業者がようやく気付き始めたためである。

 遅きに失したとはいえ良いことだ。月収が20万円を切り、60歳以上の人でないと乗務員のなり手がいない厳しい現実こそ、その着眼の原点なのだろう。
<植田>

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