論点・視点
今号の論点・視点の全文
2007年10月22日
政府は国会の付帯決議を尊重せよ
冬柴鉄三・国土交通大臣は、先の衆院決算行政監視委員会の答弁で、自動認可下限を下回る運賃を採用している大阪のタクシー車両の割合が17.7%に上っている現状に対し「異常だ」と言明した。
冬柴大臣は、下限割れ申請に対しては慎重審査すること。低額運賃で事業者間競争が道路運送法違反の不当競争を招く恐れがあることを指摘。初乗り500円など下限割れ運賃を採用している事業者に対し監査を強化する意向を明らかにした。
かねてから各地方運輸局は、現行法諸制度の範囲内でチェック機能の強化策を実施する考えを示していたが、現実に営業中のタクシー運賃認可の取り消しとなると、私的財産権の侵害につながりかねないなど「現実の壁」に阻まれ、事実上身動きできない状態だったものだ。
ここで思い出してもらいたい。7年前、衆参両院の国会で規制緩和に関する付帯決議「不当競争を引き起こす恐れのある運賃は排除する」を決めている。冬柴発言は新たな指針ではなく、忘れかけていたこの決議を再認識したものに過ぎない。
行政責任を問えるのは国民の側だ。昨今は、タクシー「再規制」の言葉ばかりが先行している。画餅に帰している国会の付帯決議の蘇生を行政に求めることが、再規制を実現させる早道だと記者は考える。
国会の付帯決議は、政府が尊重すべき国民の声だ。その声が尊重されなければ民主主義ルールもクソもあったものではない。今こそ全乗連とタクシー労働団体は、国会の付帯決議の完全履行を福田内閣に求めていかなければならない。
<山田>
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