論点・視点
今号の論点・視点の全文
2007年10月8日
事業者にとって「運賃格差は悪だ」
和歌山市域のタクシー運賃改定が今月9日、認可された。これまでは中、小型車間に28%もの運賃格差があったが、今回の改定で16%にまで縮小。法人、個人ともにすべて上限運賃で認可された。
石川県の金沢地区では、運賃改定申請から一転、運賃戦争が始まった。これに対し和歌山市域の運賃改定は、法人、個人の末端事業者に至るまで、粘り強く論議を繰り返し、事実上「同一地域同一運賃」制度を実現したことが特筆すべき点だろう。
昨年末の申請終了時点では、和歌山市域の全社が普通車運賃に統一したいとしていた。だが、最終的には全社が追加申請を行い、中、小型車別のタクシー運賃を選択、申請した。その結果、全国でも例を見ない中、小型車間のタクシー運賃格差を縮めることになったのである。
金沢の運賃値下げのきっかけを探ってみると、自動認可下限運賃を適用している事業者が13%。これら事業者の存在が“蟻地獄”の役割を果たし、改定後には運賃格差がさらに広がることに脅威を感じた事業者が値下げに踏み切ったためだという。
地元事業者から言えば、独禁法との絡みで低額運賃事業者とひざを付き合わせた論議は行えなかったのかも知れぬが、業界の将来を見据え、勇気をもって語ることができなかったものか、どうか。
和歌山の運賃改定も実は薄氷を踏む思いだった。規制緩和後、運賃戦争が激化している大阪では改定を2度失敗した。和歌山と金沢のケースは表裏をなしているが、事業者にとって「運賃格差は悪だ」ということを如実に物語っている。
<山田>
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