論点・視点
今号の論点・視点の全文
2007年9月17日
そんな説教『朝日』垂れる資格なし
笑止千万とは、このような記事のことをいうのだろう。9月12日付『朝日新聞』朝刊の社説、「タクシー運賃、思い切って値下げしたら」の一文である。
同社説は、東京のタクシー運賃値上げ問題を例に挙げ、02年の規制緩和以降、新規参入業者や既存業者が増車を行った結果、乗務員の労働環境悪化を招いたとする。ここまではさして間違いではない。
だが、運賃値上げの理由を「運転手の労働条件の改善」と業者がしていることに、労働条件悪化を招いたのは経営側の責任と強調、賃上げや歩合制の比重を下げた後、「運賃は自由化にしたら」と結んでいる。この一文こそ、安倍晋三首相の退陣ではないが無責任極まりない。タクシー運賃は実質上、自由化している。それが大阪、京都のような多種多様なタクシー運賃料金を生み運賃戦争を惹起させているのだ。
その結果がタクシー労働者にどれほどの犠牲を強いているか、新聞人なら全自交労連でも自交総連でもいい、一度タクシー運賃の自由化が、労働者にどんな被害を与えるのか取材してから書くべきだろう。
いま、タクシーの規制緩和策に対し「再規制」を求める声が全国各地の業界幹部からあがっている。その背景には規制緩和の影の部分の是正がある。企業間「競争が消費者、経営者、運転手の3者の利益につながるように設計」せよというが、そんなうまい手があるなら教えてもらいたい。
新聞料金を「いわば公認の価格カルテル」の上に立って設定してきた『朝日新聞』がタクシー業界に、そんなお説教を垂れる資格があるとは到底思えない。
<今村>
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