論点・視点
今号の論点・視点の全文
2007年9月13日
求められる手作りの輸送サービス
「地方にできることは地方で」というのが小泉前政権以来、政府が推進する地方再生の考え方の基本だ。地方の実情を見ないで、不要な道路や橋をつくらなければ補助金を与えないとする、古くさい国と地方の関係は清算された。
地方に必要なものを、その地方の実情にあった手法で導入することが望まれている。それは公共交通機関とされるバス、タクシーでも同じことがいえるだろう。本当に必要な地域の行政サービスに対して必要な補助金が拠出されるのは当然だ。
全国の市町村のあちこちで設置されつつある地方公共交通会議は、将来、その自治体が域内の交通網をどう整備するのか、民間事業者の知恵を借りながら、道路運送法の枠にこだわらず、住民から望まれる交通機関を検討すべき会議だ。
自治体関係者は、これまでよりもっと目線を低くして、民間事業者では経営的に成り立たなくなった地域交通に対して、どういうサービスをどこまで提供する必要があるのか、十分に検討しなければならない。
同時にバス、タクシーなどの事業者はこうした会議にもっと積極的な提案を行うべきであり、会議の結論として出てきた輸送サービスを黙々と実行する「運び屋」として参加するだけでは、あまりに寂しい。
マイカー全盛時代は、すでに終わりを告げている。環境問題、高齢社会問題などがその主因だ。これからの地域交通の再生には、従来型のバス屋、タクシー屋の発想では追いつかない。これまでの枠にとらわれない手作りの輸送サービスが求められているからである。
<具志堅>
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