回転木馬
今号のリレーコラム・回転木馬の全文
2007年9月3日
ゆかいな中国のタクシー
関 幸子(地域産業おこしに燃える人の会幹事長)
韶関市(しょうかんし)、この漢字を読むことができたら、相当な中国通である。ここ数年、夏休みを利用して中国を旅しているが、今年は広東省の新白雲空港から北へ約200kmに位置する韶関市を訪ねた。韶関市は、華南第一の大河珠江の支流である北江が二股に分かれる地域に広がる都市で、その面積は1.8万ku、人口315万人の広東省北部の行政、文化の中心地である。日本では、韶関市はほとんどその名前が知られていないが、中国国内では、温泉地、観光地として評価を得ており、国内旅行地として有名である。
市街地から北50kmには名勝・丹霞山と一連の山脈が連なり、豊かな緑と岩肌をみせている。「丹霞地形」という名称の由来となった地であり、春夏秋冬、日の出・日没の別なく、赤色砂礫岩から構成される山の岩肌一面は「その色はひめゆりのようで、その輝きは美しい霞のように」と称賛される壮大な景観を呈している。山並みと川と緑に囲まれた景色はまるで、日本のような姿をみせている。この日本的な景色が、中国人を魅了しているのかもしれない。
この広大な観光地を巡る足の中心は、やはりタクシーである。中国では、路線観光バスがまだ、整備されていないことや、タクシー料金が安いこともあって、観光の中心はタクシーということになる。上海や深センでもそうだが、タクシーのほとんどが、サンタナであり、それもかなり古い車が多く、座席も硬く掃除が行き届いていない。ホテルで乗ったタクシーも、その典型であった。一方で以外なことに、観光地巡りの間、中国人の運転手は、地形や歴史について詳しくガイドしてくれた。地元出身でもあり、地理に詳しいとともに、名所などの勉強もしているとのことであった。後から聞いたのだが、中国ではこうした運転手が増えているとのことで、サービス業という言葉がだんだんとはぐくまれているのかもしれない。今回の旅には中国からの留学生が同行してくれたので、言葉に困ることはなかったが、実は日本人の観光客がそうとう珍しかったらしく、車内ではずっと質問攻めにあった。この好奇心にあふれた運転手は、私達から聞いた日本の話を、今後まことしやかに旅行者に話していくことだろう。その姿が目に浮かぶようである。
日本に帰ってきて、タクシーに乗ろうとしたら、何とドアが自動で開くではないか。そうだ、日本では、タクシーのドアは自動で開閉するのだ。中国のタクシーに乗ってみると、ドア一つでも新鮮に感じる。あわせて、清掃が行きとどいた車中、そして静寂が流れる空間に、日本のサービスの上質さをあらためて感じてほっとしたものである。その一方で、ゆかいな中国の運転手も懐かしい。来年もまた中国に行こう。
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