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2007年8月23日

岡野行秀氏:
再規制は解決策にならず 小社に書簡を寄せる


【東京】東京大学名誉教授の岡野行秀氏は13日付で、小社へ書簡を送り、タクシー業界での「再規制」に向けた動きに対して「以前の参入・運賃料金規制の体系への復帰が主張されているようだが、本当に旧来の規制へ戻れると考えているとしたら解決策にならないと思っている」との見解を寄せた。

 書簡は、本紙(7月19日付、8月6日付)「論点・視点」に対する感想として、執筆者である樫村諭一記者にあてたもの。7月19日付の「ゴキブリタクシーは排除すべし!」の見出し記事で掲載した論説の中で、岡野氏がかつて「需給規制は十全に機能していない」と語ったことを引用したことに関連して、最近のタクシー業界の動向について所感がつづられている。

 岡野氏自身がかつて評した趣旨に触れ、参入規制の存在自体が事業者にとって減車を妨げる要因になり、「もし参入が再規制されるならば、導入前の駆け込み増車が刺激される」との見方を示すとともに、規制していた当時の運輸省すら減車したことがなかったことを指摘。「需給調整しないとした運輸省(国土交通省)が完全に元へ帰ることはできないと思う」「どの事業者も自分の会社の車を自主的に減らすことはないだろう」と予測した。

 唯一の解決策はタクシー業界内の「談合」によって、減車を進める方策しかないという。悪質な“ゴキブリタクシー”の排除だけでは、需給バランスが取れないことを指摘した。しかし、公正取引委員会が談合を認める可能性はまったくない。「再規制」に対しては「業界は期待するほどの成果は得られないだろう」と記した。8月6日付の「再規制でも古き時代には返らない」とする論説には、同感だとしながら、全国乗用自動車連合会の富田昌孝会長に再考を促した。

 「あれだけ低賃金、労働強化しておいて、人員不足だとこぼす事業者を外から見ていると、頭冷やしてよく考えろと言いたくなるのは私だけだろうか」との思いもつづり、東京のタクシー運賃改定をめぐって物価安定政策会議の中で委員から厳しい意見が示されたのは、参院選に絡んでだけでなく「事業者に対する不信があるからだと思う」との感想をつづっている。

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