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2005年10月24日

客が減ったのはなぜか?

四方 源太郎(NPO法人あやべ福祉フロンティア副理事長)

 あやべ福祉フロンティアは福祉移送以外にもさまざまな事業を行っている。

 配食事業は綾部市が社会福祉法人に委託しているもので、この配達を再委託されて、月〜金の夕方、お年寄りにお弁当を届けている。

 「あやべ寄席」は「笑いは健康の源」と市民に生の落語を提供している。

 綾部市立病院には、病院ボランティアを派遣している。月〜土の午前8時〜午後12時半まで、2交替制2人ずつのボランティアが外来患者の手助けを行う。

 従事するボランティアは女性中心で、約15人。転居や就職で退会された方もあるが、常にメンバーはうまく入れ替わり、必要な人数の確保ができている。

 最近の総合病院は、ボランティアがいなければ「良い病院」と評価されないらしい。病院施設の整備や人員配置はお金で解決できるが、ボランティアの組織化はお金があってもできない。市民の方にも定着し、市民と病院の両方から頼りにされる存在になってきている。

 年に1回は新聞などに広告を出し、介助講習会を開催している。車いすの操作方法や患者さんへの接し方を看護師さんから学ぶ。昨年、講習会に50歳くらいの男性が来られた。女性中心のボランティアなので「珍しいな?」と思った。

 この活動では1回(2時間半)あたり500円の交通費を支給するだけ。とても生活の足しにはならない。現役世代の男性が参加された意図が分からず、不審に思っていた。

 尋ねてみると、その方はタクシー会社の運転手さんだった。「お客さんには車いすの方が増えておられるので、基本的なことを受講しておいたほうがいいと思って……」と会社を休んで来ておられた。頭が下がる思いだった。

 市立病院の前には客待ちのタクシーもおられる。間接的には「フロンティアに客を奪われて、たまったものではない」という声も聞こえてきている。

 その一方で、客待ち中に病院ボランティアの活動を見て、自らの仕事に生かそうとしておられた方もあるのが分かり、本当にうれしかった。いまでも時々、街でその運転手さんを見かけると、こちらも暖かい気持ちになる。

 ある旅館経営者が「綾部のタクシーは景気の良いときも、売り上げは夜8割、昼2割だった」とおっしゃっていた。いま売り上げが伸びないのは、夜の客数が落ちたからではないか。

 夜の宴会は減っている。企業接待も減った。タクシーチケットをばら撒くことはなくなった。飲酒運転の規制が厳しくなり、帰りの足を用意してから飲みに行く人が増えた。運転代行なども出てきた。

 「ボランティアが客を奪っている」と考えている限り、憂さ晴らしにはなるかもしれないが、売上増にはつながらないのではないか。

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