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| 2007年12月27日 |
再規制と運賃引き上げ
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| 岡野 行秀(東京大学名誉教授) |
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ここに来て仙台をはじめとする6地区の新規参入・増車許可の規制強化−再規制−と12月3日からの東京都内のタクシー運賃引き上げが決定され、タクシー業界期待の2点セットすなわち「再規制」と「運賃引き上げ」が実現する。こうして当面は業界の目標が達成されるのだから「慶賀の至り」であろうが、
タクシーの将来を展望する時、私は「慶賀の至り」などととても言えないのである。何故か? それはまるでメタボリック症候群の患者に、積年の暴飲暴食を止めさせ、運動させて体質を改善するよう忠告したのだが、患者は我慢できず元の生活へ回帰するのを選んだようなものである。間違いなく、何年か後には再び慢性的供給過剰という同じ症状に直面するだろう。
仙台地区の場合、新規参入と増車禁止を行うようだが、規制緩和前と比べて1.5倍に増えた台数を積極的に減らす方策は示されていない。仙台地区はこれまでに増加した台数のタクシーが温存される状態が続く。事業者はここで減車したら将来増加できないと台数を懸命に維持するだろう。したがって事態は変わらない。
東京23区武三地区をはじめ多くの都市の運賃が12月3日から引き上げられた。これに関しては『朝日新聞』11月17日付別刷『be』掲載のアンケート「タクシーの値上げに納得するか?」の結果が特に眼を引いた。上の質問に対するモニター2,370人の回答は「いいえ」が36%で最も多く、「どちらでもない」が29%で2番目、次いで「はい」が27%、「わからない」が8%。「いいえ」−納得できない−という回答の理由のトップは「かえって客が減る」で、次が「台数を減らすべきだ」で、その次の「需給が反映されていない」を合わせると83%を占める。一方、「はい」−納得できる−の回答の理由は、「乗務員の待遇改善」が50%を超えてトップ、これに「安全性の確保」が次ぎ、それに次ぐ「コスト削減も限界」を加えると93%だった。
「値上げ後利用を見直すか?」の質問に対する回答では、25%が「はい」と答え、そのうちの56%が「乗らない」、39%が「頻度を減らす」であった。さて、12月値上げ後の実績はどうなるか。
「値下げを期待し規制緩和したのになぜ値上げ?」の質問に対する回答は56%の「わからない」を別にすると、「競争で値下がりするという論が間違っていた」が31%、「規制緩和が不十分」が13%だった。「競争=値下がり」論は、評論家やマスメデイアが唱えたもので、私たち規制緩和論者は、本来、運賃も自由化しサービスとともに多様化を促そうとしたのだった。国土交通省は総括原価方式による運賃規制を復活させる意向だが、タクシー業界はこれに不満を感じないのか。
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