言言・語語
   
あの規制緩和は間違っていた 業界任せではなく行政が手だてを
 全乗連が「再規制」を唱えるより早く、ハイタク労働団体側は、そう主張していた。むしろ労働側の「規制緩和No!」は変わらない。経済的、地域的な格差が社会問題となり、政府も「成長力底上げ戦略」に乗り出す。ハイタク労働者が“社会の落とし子”で片づけられていいのか。業界の構造的問題点を踏まえ、取るべき道を語ってもらった。
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―全乗連の富田会長は、運賃改定をスムーズに実現するためには乗務員の協力が不可欠であるとおっしゃっています。物価安定政策会議でも「乗務員は運賃値上げは望んでいない」という発言が出てくる。経営者が取るばかりで乗務員には何も回ってこない。そういう悪宣伝をされては困ると。むしろお客さんに「運賃値上げはわれわれの実入りにもなりますんでよろしくお願いします」という広報をしてほしいということですが。

経営側こそ省みるべきだ

待鳥 それはお門違いです。これまで労働組合の方がずっと真剣に運賃改定を訴えてきたし、認可になったら改定率に届く増収を実現しようと議論している。労働組合の方が先にやっています。それでもなおマスコミのインタビューなどで、「値上げしても賃金は増えない。経営者のためだ」というような乗務員の反応がある。どうしてそういう言葉が出るのか、経営側こそ省みるべきです。業界団体レベルでは労働条件改善を強調しているけれども、個別の経営者の姿勢には大いに疑問があります。器機使用料などの運転者負担問題でも、いま運賃認可前の駆け込み的に新たな負担増を強いる動きさえある。経営者の皆さんが従業員の前に出て「今回の運賃改定は労働条件改善のためだから、わが社では必ず皆さんの賃金を改善する」と約束すれば、そんな受け答えは出てこない。従業員に不信感を持たれているから、そういう言葉が出てくる。1人ひとりの乗務員が利用者に「いま運賃値上げを申請しています。私たちの賃金、こうです」「なんとかご理解をお願いします」と自然に言えるようにしてほしいものです。

―どうも、どうも。長時間ありがとうございました。

(2007年7月5日)

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<待鳥 康博(まちどり・やすひろ)氏 プロフィール>

 1951年生まれ。76年全自交労連書記局入り。95年書記長就任。交通政策審議会のタクシーサービスの将来ビジョン小委員会にも参加した。

全自交労連: http://www.zenjiko.or.jp/

聞き手=植田 耕二(トラモンド社論説主幹)